NGC、PCGS、想定外の鑑定(グレーディング)結果だった場合の対処法

NO IMAGE

こんにちは!JCCの阿部です。

前回、 我々が実物を見た上で、「PF62はつくだろう」と自信を持って仕入れた結果が UNC Details だった場合、「鑑定眼が無かった結果で仕方ない・・・」と簡単に諦めずに、あることをします。と書きました。

今日はその続きについて書きたいと思います。
そのあることとは、スラブケースを割って、コインを取り出して再度グレーディングに出すということです。

その場合、最初にNGCに出したのであれば、次はPCGSにだしてみる。最初にPCGSにだしたのであれば、次はNGCに出してみます。

つまり、大手2社に鑑定してもらうことです。
鑑定会社が変われば、結果も変わってくることもあります。
それは、鑑定会社とはいえ、人が鑑定しており、その人によって経験の差があったり、得意不得意があったり、見るポイントが違ったり、忙しかったり、ヒマだったり、様々な要因が絡み合って結果がでるからです。
まぁ、つまり、”見る人が代われば結果も変わる”ということです。

その一例をご紹介しましょう。

次のコインはワイマール共和国のマグデブルク再建300年記念 3マルク銀貨です。

私が裸で購入したものですが、画像では分かりづらいですが、艶もあり、しっかりとしたプルーフ感で、PF63はつくと確信してNGCへグレーディングに出しました。結果は納得いくものではなく、割ってPCGSへ出しなおしました。その結果が次の通りです。

何と、NGC PF61からPCGS PR65になりました。実に4ランクアップです。

ここまで極端に変わることは珍しいですが、1~2ランクアップ位であれば結果がかわることもしばしばです。

また、これはNGC→PCGSの例ですが、同じ鑑定会社内でも結果が変わることもあります。NGC AU Details→NGC MS62になったこともあります。

ただ、納得がいかなかったら何でもかんでも割って出しなおせばいいという訳ではありません。
誰がみてもクリーニングのコインは何度出してもクリーニングで帰ってきますし、プロが見て妥当な数字だと思うものは、何度出してもランクアップすることはありません。最悪、逆にダウングレードで戻ってきてしまうリスクもあります。

再度、グレーディングに出すにしても、送料や鑑定料、代行手数料などかかりますので、しっかりとした鑑定眼で冷静に判断した上で出しなおすことをお勧めします。


もし、お持ちのコインの数字やグレーディングに出されたコインの数字にご納得がいかずお悩みの場合は、JCCの私(阿部)までご相談ください。
プロの目で見て的確なアドバイスをさせていただきます。ただし、写真だけでは判断できませんので、実物をお持ちいただくか、お送りいただける方のみとさせていただきます。

T.ABE / JCC